「はじめて台北に行くのですが、絶対に行ったほうが良いお店はどこですか?」と読者の方からの問い合わせを頂く際、私は必ず「鼎泰豊の本店」と答えしています。鼎泰豊は世界的にも有名なレストランであり、日本にも勿論進出していますが、「鼎泰豊本店で小籠包を食べた」という経験はやはり台北の本店でしか得られないものだと思います。


ということで、今回は鼎泰豊ではありませんが、小籠包のお店のご紹介です。
世界の鼎泰豊ではなく、思いっきりローカルなお店です。

場所は忠孝東路と杭州南路の交差点近く、MRT善導寺駅から徒歩数分の場所です。

上台北小館(シャンタイベイシャオグヮン)
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緑色のローカル色満載の看板です。
とはいえ、お店のガラスには「五つ星級の美食」との記載があります。
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でも中はもちろんローカルな雰囲気。
厨房の熱気がムワッとくる感じのお店です。
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注文はオーダーシート。
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好きなものにチェックを入れ、自分のテーブルの番号を書き込み店員に渡しましょう。

小菜はセルフサービス。
茹でピーナッツを持ってきました。
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八角の味がキツイので八角嫌いは結構ツライとは思いますが、私は大好きです。
これをつまみながら台湾ビールを飲むと、ふぅっと落ち着くんですよね。

待つこと数分、やってきました。

経典牛肉麺(ジンディェンニョウロウミェン)130元
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経典、つまり定番という意味なので、定番の牛肉麺って感じでしょうか。
麺もツルツルっと美味しく、スープもこれぞ牛肉麺!という感じです。
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これはこれで美味しかったです。
専門店で食べるのと遜色のない味わいでした。


招牌小籠湯包(ジャオパイショウロンタンバオ)120元
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食べ台湾のコアな読者の方ならわかると思いますが、初めて入るお店に行って何を頼んだら良いかわからない場合は「招牌」と書いてあるメニューか、一番左上のメニューを頼むのが定説です。
こちらのお店の小籠包は、一番左上にあり、そして「看板」の意味を持つ「招牌」がついています。
つまりこちらのお店の看板メニューが小籠包ということですね。
しかも小籠包の3段活用の2段目、小籠「湯」包じゃないですか。つまりスープ多め!
ちなみに、最上級は灌湯包だと勝手に思っています。

参考記事:喜揚揚灌湯包 スープの量が半端なく多すぎる小籠包

ではレンゲにのせて、恒例のスープチェック。
小籠包の横っ腹に箸を差し込んで開く、「横入刀」するとドボドボドボーーー!
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思いっきりスープが溢れて飛び出してきました。
このスープの量は半端ない!

取り敢えずフーフーしてバクッと行くと、中身がトロットロ!!!

正直透き通ったような洗練された味ではありませんが、荒々しい味付けの奥に優しさがある。例えるとおふくろの味というのでしょうか。自分の母親(mamawan)は小籠包を作りませんが、そんな気分になりました。

さて、さっきはスープがこぼれてしまったので、取り敢えずもう一度スープチェック。
小籠包の先っちょの山の部分をかじり取る食べ方、「山かじり」をするとこれまたドボドボ!!
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すごいです。やっぱりこのスープの量はすごい!
と思いきや、全部が全部スープ多め!というわけではなく、既に割れていてスープが流れでてしまっていた個体もあったので、そこはご愛嬌。
ある程度冷めたら、箸などで割らずにそのまま口に入れる「ガブ籠包」という食べ方をすると、口の中は幸せなスープでいっぱいになるので、ぜひどうぞ!

牛肉大餅(ニョウロウダーピン)90元
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隣の人が食べていて美味しそうだったので頼んでみました。
小麦粉の皮で出来た餅に牛肉を巻いたものです。
中にはきゅうりと葱が入っていました。
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このタイプの牛肉は、八角などで煮込んだものを使っているお店が多いのですがこちらのはそのままの牛肉。とってもジューシーで、例えるのであれば、北京ダックの牛肉版とでも言えるでしょう。「五つ星級って(笑)」って思っていましたが、何気にクオリティー高かったです。


ということで、ローカルなのにとっても美味しかったお店のご紹介でした。
いやしかし、あの小籠包のスープの量は正直今までで一番かもしれません。有名な小籠包を経験された方は、ぜひこういったローカルなお店で食べる小籠包も試してみてください。
尚、こちらの小籠包はお昼に行くのが狙い目です。仕込みたて(包みたて)の小籠包は格別です。
また普通の小籠包以外にもエビと瓜の小籠包もあるので、次回はそれを試してみたいと思います。


上台北小館


台北市中正區杭州南路一段7號
営業時間:11:00~14:00 / 17:00~21:00
最寄り駅:善導寺