中秋節は、春節、端午節とならぶ三大節の1つで、2015年の中秋節は9月27日、旧暦だと8月15日となり、前回ご紹介した中元節のちょうど1ヶ月後でした。
 
日本だとこの日の夜の月を「中秋の名月」と呼び、お月見をして楽しむ風習があるので馴染み深いと思いますが、今回は台湾の中秋節をご紹介したいと思います。

台湾の中秋節における代表的な3つを挙げるとすれば、以下でしょう。
1. 月餅など贈り物
2. バーベキュー
3. 文旦

1. 月餅などの贈り物
月餅(ユエピン)とは、月に見立てた丸いお菓子で、中に入っている材料は様々で、紅豆や緑豆、肉そぼろ、お餅、ナッツ類、アヒルの茹でた卵など色々あります。
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この丸い月餅を円満な家庭を願いながら家族団欒で食べることが習わしですが、親しい友人やお世話になった方へも月餅を贈ります。最近はパイナップルケーキやクッキーなどのお菓子も好まれており、中秋節前のパイナップルケーキ屋さんの有名店は長蛇の列で、この季節の風物詩となっています。

中秋節前の犁記にて。
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こちら犁記の小月餅です。
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普通の月餅はお肉や野菜が入っておりあまりお口に合わないので、よりスイーツ的な月餅を選んでみました。
半分に割ると中から塩漬けしたアヒルの卵の黄身が出てきました。
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(左:緑豆、右:棗(ナツメ))
卵だけを食べるとそのまま塩味の黄身ですが、中の餡と一緒に食べると甘さが増してとっても美味しいです。
卵の黄身と聞くと微妙な感じがしますが、中秋節以外の時期でも販売しているので、気になる方は是非。
 

2. バーベキュー
バーベキューを台湾では烤肉(カオロウ)と言います。

何故中秋節にバーベキューをすることになったのかは諸説あるようですが、私が一番良く聞く説は、焼肉のタレを扱うメーカーが「中秋節はバーベキュー」という広告を打ち出して広めたとのことです。
日本で言うお菓子メーカーの戦略、「バレンタインデーはチョコレート」と同じかもしれません。
とはいえ、バーベ-キューは一家団欒で行い、月餅と同じく家族円満を願いながら行えるので、家族との絆を深める良い風習だと思います。
各家族毎年行っている行事なので、火起こしから焼きまで、台湾の方は皆さんバーベキューがとても上手な印象です。 

中秋節夜の四平街にて
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3.文旦
文旦(ウェンタン)とばザボンの一種で、小さい子供の顔くらい大きい果実あり、この時期のスーパーには山積みとなって陳列されています。
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この文旦も中秋節に食べる習慣があり、この分厚い皮を使って帽子を作り子供が被るということも昔から行われているそうです。
ということで、私も作ってみましょう。

先ずは大きめの文旦を用意します。
身が詰まっていそうな大きくてどっしりと重いのを選んでみました。
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先ずは上の部分をざっくりと横に切り落とします。
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切り落としたら、4つに縦に切り込みを入れます。
下まで貫通して切り込まないよう注意して下さい。
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中から綺麗な実が現れるので、親指でえぐるようにして実を全部取り出します。
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取り出すとこんな感じになるので、あとは童心に戻ってかぶりましょう。
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はい、ぽん!
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と、こんな感じです。
「文旦 帽子」と検索すると色々なアレンジバージョンも出てくるので、面白いです。
ちなみに中身は少し赤みがかかったこのような感じつで、グレープフルーツよりも実に歯ごたえがあり、とっても美味しいので、是非お試しくださいね。
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以上、台湾の中秋節でした。
 
月餅の行列や、スーパーの山積み文旦、街中のバーベキューなど、秋色に染まってきた台湾を是非感じてみてください。

台湾観光局