2015年8月28日は旧暦7月15日となり、日本のお盆にあたる中元節となります。
道教における三元神(天官大帝、地官大帝、水官大帝)は、旧暦の1月15日、7月15日、10月15日に生まれたとされ、それぞれを「上元節」「中元節」「下元節」として祭祀が行われています。
尚、道教上は上元節を元宵節とも呼び、天官を祭祀するにあたり色鮮やかなランタンなどを用いて邪気払いを行い、また中元節では死者の罪を赦すことを願う日となったようです。
ちなみに、この中元を起点とした旧暦の7月1日から30日を鬼月と呼び(2015年8月14日から9月12日)霊界との門が開くため、先祖があの世から舞い戻ってくると言われており、この期間は、引っ越しや結婚、旅行、家や車などの大きい買い物などのイベントを控えたほうが良いと言われ、台湾の経済の消費も落ち込む期間です。
その地官大帝を祀る中元節ですが、今回は台湾各地でイベントが開催されるので、いくつかご紹介したいと思います。
基隆中元祭(雞籠中元祭)
基隆(ジーロン)で行われる雞籠(ジーロン)中元祭は、観光局交通部が選定した台湾における十二大祭りの1つに挙げられています。
鬼門が開いて鬼月が始まる1日から開龕門の儀式を皮切りに、主普壇開燈(主普壇の点灯)、迎斗燈遶境(宗親を象徴する山車のパレード)、公私普渡(鬼の門から解放された死者たちの供養)など、1ヶ月にわたって行われるようです。
世界のお祭りを紹介する日本の番組でも放映されたことがある、搶孤(チャングー)です。こちらは台湾南部の屏東(ピンドン)で開催され、供養で使用されたお供え物を奪い合う行事として知られています。
宜蘭頭城搶孤
こちらは先ほどと同じ搶孤(チャングー)ですが、台湾東部、宜蘭(イーラン)県の頭城で開催され、搶孤イベントの中でも台湾最大の規模を誇るお祭りで、2015年9月12日に開催されます。
空中に浮かび上がった「孤棚(グーポン)」は、何本もの福杉製の柱上部に設けられ、高さは約11メートル、幅は8メートルほどあります。そして更に孤棚の上には7、8丈ほどの高さの「孤棧(グーザン)」が取り付けられます。孤棧は、竹で編み込まれた円錐の形状をしていて、スルメイカやちまき、ビーフン、肉、魚・・・などがびっしりと結び付けられています。孤棚へ達する柱には牛の脂がたっぷりと塗られているので、参加者はチーム一丸となって、下の人の肩の上を踏み台として上へ上へと登っていかなければなりません。孤棚の上から落とされた供え物は下の人が競って拾います。勝負は、孤棧のてっぺんに取り付けられた「順風旗」を獲ったチームが勝利です。
引用:交通部観光局
各地で行われる中元節のイベント、宜蘭や屏東など自然がたくさんの地域などで開催されています。美味しい地元グルメなども合わせて足を伸ばしてみるのも良いかもしれませんね。
台湾観光局
コメント
コメント一覧 (3)
今回の記事は、台湾の所謂お盆ですかね?やはり盛大にお祀りするんですね。日本も地域によって個性がありますが、台湾のお祭りも各地で独自色があり魅力的です。
台湾の人々が道徳心を大切にしていられるのは、こうして、御先祖や目に見えない存在を思いやる習慣があるからだと思います。旅行者だとタイミングが合わなければ、なかなか体験できないけれど日本人からしたら大変興味深いです。
最近はお祭りなのかお祀りなのか、グチャグチャになってきているので、こうして文化や歴史を勉強する機会も大切ですよね。
今回は御先祖さまをお迎えして儀式をするのでお祀りかな?と(笑)。
台湾の祭祀は、どこか日本人にも馴染みやすい共通する感覚があるので、つい、一緒になってワクワクしてしまいます。